説明書きや注意書きは、何を書いているのかと同じくらい、どこに書いてあるかがわかりやすさを左右すると思います。
数年前、セブンカフェのデザインがわかりにくいということが話題になりました。デザインがあまりにもスタイリッシュすぎて、店員に問い合わせが殺到、英語表記しかなかったマシンに日本語のテプラが貼りまくられたというのです。
しかし私は、このマシンよりも、そもそものカップの買い方や料金の支払い方がわからず戸惑いました。それについて書かれたパネルは、私が利用した店では頭上に吊ってあったのです。
頭上ではなく足元の表示も見落としやすいものではないかと思います。駅のホームでは床に特急などの電車の種類や女性専用車両のドアの位置を表示しています。自分から乗車位置を探す場合は足元を見ますが、そうでないときは足元はあまり見ていません。男性が気づかずに女性専用車両に乗ってしまうことがあります。女性専用車両に乗ろうと思っている女性なら足元のサインを探しますが、男性はそういうことはないからでしょう。
よく行く場所に分別がわかりにくいゴミ箱がありました。「燃えるゴミ」「燃えないゴミ」とゴミ箱の胴の部分に書いてあるのですが、小さいのでかがまないと見えません。そのためか、分別を間違ったゴミが入っていることがよくありました。最近、それぞれのゴミ箱の上方に「燃えるゴミ」「燃えないゴミ」の貼り紙がされていて、わかりやすくなりました。
せっかくわかりやすく書かれた説明書きや注意書きも、その存在に気づいてもらわなかったら意味がありません。説明書き・注意書きはどこに貼るのか、その位置も重要です。
ブルーバックスのロングセラー藤沢晃治『「分かりやすい表現』の技術』にはわかりにくい標識や看板とその改善案が載っていて参考になります。新版が出ていました。