文章表現の授業です

専門学校や大学で担当している「国語表現法」「日本語表現」などといった授業の覚え書き

メールに「教授」と書く前に

学生さんからのメールで変だと思うことがいくつかありますが、変というより間違っているのが敬称です。とにかく大学で教えている人にはすべて「〇〇教授」と書くようなのです。

非常勤講師の私も例外ではなく、「新稲教授」という敬称のメールが届きます。そのたびに非常勤講師という一年契約の非正規雇用ではなく、教授と呼ばれるような身分になりたかったなあと遠い目になってしまうのです。

このように、職位というのはデリケートなものです。教授と呼んでおけばみんな喜ぶといったものではありません。私の知っているケースで、こだわりがあって敢えて教授に昇進することを拒んで准教授に留まっている人がいます。間違ってしまうとその場の空気が凍ることもありますから、非常に気を遣います。

ではどうすればいいのか。簡単です。敬称はすべて「先生」にすればいいのです。

 

そもそも肩書きは敬称になるのでしょうか? 教授なのか准教授なのか講師なのか助教なのか、確認してからメールの書き出しに

新稲非常勤講師

と書くのでしょうか。私がすべての授業の契約を打ち切られたときは、

新稲ゆうメイト(日本郵便期間雇用社員)

になるのでしょうか。人によって感覚が違うかと思いますが、私の感覚では肩書きは敬称にならないと思います。

 

「先生」という便利な敬称があるのに、なぜ職位を間違う危険を冒してまで「〇〇教授」と書くのか謎だったのですが、検索してみると引っかかってくるサイトの例文がことごとく「〇〇教授」なので、それを見て書いているのでしょう。参考にするなとは言いませんが、ちょっと自分の頭で考えてみてください。

 

声を大にして言いたい。敬称はすべて「先生」にすればいいです!

 

 

メールの書き方も取りあげています。