後期第1回目 正確に伝える
後期の授業も始まりました。
夏休みを終えて、前期に学んだことをすっかり忘れてしまったという学生さんも少なくありません。第1回目の授業は夏休み前のことを思い出すことから始めます。実際に大学で初めてレポートを書いてみて、どういう点が大変だったか、文章表現の授業で学んだことを生かせたか、簡単なアンケートを取りながら、具体的にアドバイス出来るところはアドバイスをします。
期末の試験期間に文章表現の技術が必要だと実感したことを思い出してもらうことは、後期の授業のモチベーションアップに繋がります。また、他の科目のレポートの課題と学生さんの感想を知ることは、私たち文章表現の担当講師にとって、授業でどんな点に力を入れるといいかがわかるので非常に有益です。特にコマ数が少なく実践的な授業を求められる専門学校の場合は、実習ノートなどを閲覧させてもらうと有り難いものです。
さて、前期の第1回目の授業では、各グループに1枚、絵はがきを配り、ちょっとしたゲームをしました。絵葉書の内容を説明する文章を書き、別のグループと交換し、再現するのです。うまく再現出来なかった所は、説明文のどこが不十分だったのかを考え、
数
大きさ
位置・向き
を正確に伝える必要があることを学んでもらいました。
後期の第1回も同じようなゲームをします。ルールは次の通りです。
- 一列になり、先頭の人は配布された絵の内容を次の人に説明しましょう。
- 2人目からは絵を見ないで次の人に説明しましょう。
- 最後の人は自分が聞いた説明から絵を再現しましょう。
- 再現できたら、元の絵を見せてもらいましょう。間違った部分はなぜ間違ったのか、どのように説明してもらえば間違わなかったのかを伝えましょう。
古典的で単純な伝言ゲームですが、このゲームをしてみると、情報というものが人から人へと伝わる間にどれほど変形するかがわかります。今回は妖怪の絵を使いましたが、角が1本から2本になっていたり、女が男になっていたり、羽が生えてしまったり、持っている金槌が巨大化したりという例がありました。
元の絵と再現した絵を見比べて、笑って終わるのなら単なる伝言ゲームですが、文章表現の授業ですから次のことに気付いてもらいたいものです。
- 私たちは世界中のすべてのものを自分の目で直接見ることはできない。誰かの言葉でそれが説明されているのを利用することの方が圧倒的に多い。私たちはそれを引用して用いている。
- 引用は回数を重ねるほど不正確になっていく。よって、孫引きはできるだけ避けたい。
- 文章は必ずしも事実を伝えているとは限らない。誤解を招く表現で書かれていたり、事実でないことを書いていたりする可能性すらある。
- 引用された場合に誤解されないよう、できるだけ具体的に書くべきである。
レポートの引用のマナーについてはもちろんのこと、このご時世ですから、デマや風評を例にとって解説すると わかってもらいやすいのではないかと思います。
説明文を書く際の題材にはよくオバケを使います。今回のような妖怪についての情報は国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースなどを利用できます。マイナーな妖怪がたくさん出てきますが、一度妖怪マニアの学生さんがいて授業が成立しなかったことがありました。ご注意を。
高校の国語科の「書く」授業
まともなレポートを書けない大学生が多い理由として、それまでの国語教育では感想文などの情緒的な文章しか書かされなかったからだということがよく言われますが、それに対する反論も同業者の間で耳にします。実際、高等学校学習指導要領解説を見てみると、
論理の構成や展開を工夫し,論拠に基づいて自分の考えを文章にまとめること。(第2章第1節3B「書くこと」(1)指導事項)
などという項目がちゃんとあります。
このように国語科の学習指導要領を見ていると、現代の日本の国語教育では必ずしも論理的な文章の書き方を軽んじているわけではないように思われます。
しかし実際はどうなのでしょうか。高校までにどのような文章を書いてきたのか大学生に尋ねると、私の場合圧倒的に多いのはやはり「感想文」です。読書感想文だけではなく、体育祭や文化祭、社会見学や遠足など、何かにつけて感想文を提出した(させられた)ことを、彼ら彼女らは「鬱陶しかった」という記憶と共に話してくれます。学習指導要領に書かれているような「説明や意見などを書く言語活動」も学んだのかもしれませんが、印象に残っていないようなのです。
過去に一度だけですが、国語の教師が論理的な文章を書く指導を熱心に行っていたという学生がいました。学校や教師によって状況は全く異なるのでしょう。私の接する範囲では、高校時代に意見文や説明文の型が身に付くまで繰り返し練習してきた大学生はやはり非常に少ないのです。
学習指導要領には
説明や意見などを書く言語活動
イ 出典を明示して文章や図表などを引用し,説明や意見などを書くこと。(第2章第1節3B「書くこと」(2) 言語活動例)
と引用についての項目もあります。この引用については、学習指導要領に従っていれば小学校3年生から継続して学んでいるはずです。大学生がなぜコピペレポートを書くのか実に不思議です。
「調べ学習」と称して小学校の頃から本や新聞、場合によってはインターネットの記事を用いることがありますが、多くの学生たちはその場合も引用のルールを学んだ記憶がないと言います。何かを探してきただけで偉いと褒められ、丸写しをしていても咎められなかったそうです。出典を示さない引用を注意するとキョトンとする学生がいるのは、このような教育を受けてきたからではないでしょうか。いい加減な「書く」授業ならしない方がマシです。
大学生のレポートを書く技術に関しては、大学ばかりがその責任を問われ、初年時教育も行われています。しかし大学入学まで、特に高校での「書く」授業の実態がどのようになっているのかも、明らかにする必要があると思います*1。
レポートの採点基準
ふだんの提出物は添削するだけですが、最終課題は点数で評価しなければなりません。他の先生と共同の授業でなければ、私は最終課題1つを100点満点で採点することにしています。始めの頃や数回目の授業の提出物がうまく書けなくても、最後の試験期間に一定のレベルに達していれば合格というわけです。
そしてその期末のレポートの採点は、採点基準に基づいて行っています。次に一例を示します。資料を引用するのが条件の意見文の場合です。
【タイトル】10点
T 内容に合ったタイトルが付いているか。10点
【内容】10点
O 自分の意見をはっきり書いているか。10点
【段落】20点
P1 段落の初めは一字下げて新しい段落であることを示しているか。10点
P2 内容ごとに段落を分け、1つの段落に1つの内容を書いているか。10点
【トピックセンテンス】20点
TS 段落の始まりはトピックセンテンスを生かして書いているか。20点
【引用】30点
Q1 引用は何の引用かわかるように出典を書いているか。10点
Q2 引用文は「」でくくるなどして地の文と区別しているか。10点
Q3 引用は全体の文章の流れにおいて適切なものか。10点
【論理】
L 論の流れに矛盾はないか。10点
それぞれの加点項目には部分点も用意します。予想されうるパターンごとに妥当な部分点を割り振ります。
毎年いい問題を作ろうと腐心しますが、こちらの予想を遥かに上回る奇妙な答案が出てくるのは避けられません。こういった答案が採点基準のいたずらで高得点にならないよう、採点基準は常に手入れが必要です。
次に示すのは減点項目です。減点は1種につき-2点です。1つではなく1種で数えます。つまり同じ文字の誤字はいくつあっても減点されるのは1回ということです。
加点項目で得点できなかった要素を減点項目で更に減点しないよう注意しています。また、基本方針として、加点項目で低い点数にするのか減点項目で減点するのか迷う場合は減点項目を優先します。例えば、引用を示す「」の」がない場合、加点項目のQ2を落とす(-10点)のではなく、脱字と見なす(-2点)、などです。
誤字・脱字
敬体と常体の混用
俗語など不適切な言葉遣い。
ら抜き言葉など間違った文法の表現。
文に必要な5W1Hが抜けている。ねじれた文になっている。
二通り以上に解釈できる文になっている。
レポートの場合、通常の試験と比較して学生さんは評価に疑問を持つことが多いようです。学校の方針にもよりますが、採点基準は公開した方がいいと考えています。
第11回 意見文の練習
第9回の説明文に続いて意見文を書く練習をします。説明文の授業と同様に、書く材料を整理し、アウトラインを作り、その型に従って書きます。型、型、型……前半で基礎的なことを押さえた後は、ひたすら型を使って書く練習です。
90分の授業1回で意見文を1つ仕上げるのは無茶ではないかと思われるかもしれません。たしかに、学生さんの中には限られた時間ではなくゆっくり考えるのが得意なタイプもいます。短時間で結論を出すのにそぐわないテーマもありますーーいえ、そもそもこの世の中のほとんどの問題が短時間ではなく必要なだけ熟慮しなければならないものでしょう。
しかしここでは型を身に付けることを優先して、書く練習をします。与えられた提案について賛成か反対かを書きますが、自分が実際にどういう意見を持っているかと一致しなくてかまいません。まずは書きやすい方で書いてもらいます。できれば賛成・反対両方について書くとより効果的です。
90分授業で600字程度の意見文を書く場合、大学入試の小論文や中高生向きのディベートの論題が参考になります。
論題|ディベート甲子園|NADE - 全国教室ディベート連盟
さて今年は次のような問題を作りました。専門学校の試験問題としても使いましたが、45分の教室試験でほとんど全員が600字の意見文を完成させていましたので、90分授業の場合、説明やブレーンストーミングを入れるとちょうどいい内容だと思います(ただ私が授業をしているのは関西の学校なので、甲子園球場に野球観戦に訪れたりアルバイトをしたりした経験のある学生がいてやりやすかったかもしれません。)
「夏の高校野球(全国高等学校野球選手権記念大会)はナイトゲームで行うべきだ」という意見に対して、あなたの意見を書きなさい。
賛成か反対か自身の立場をはっきり書くこと(賛成・反対のどちらかが答えということではありません)。
学生が自分でアウトラインを作れないようでしたらこちらで用意します。
【アウトライン例A】
【アウトライン例B】
また、資料もいくつか用意するとよいでしょう。
例えば次のような新聞記事が使えます。
つなごう医療 中日メディカルサイト | 炎天下の高校野球 熱中症対策限界
これについてはTwitterでも話題になっていました。
Ceron.jp - つなごう医療 中日メディカルサイト | 炎天下の高校野球 熱中症対策限界
夏休みの読書感想文や社会見学の感想文など、感想文は書いたことがあっても意見文はほとんど書かなかったという学生さんは多いです。そのような学生さんは、例えば今回の問題だとナイトゲームに反対という意見の根拠として、「炎天下でがんばっている姿が好きだから」などと書いたりします。このような自分の好き嫌いや感情ではなく、「ナイター設備のない学校が不利になる」「選手や応援の生徒の帰宅時間が遅くなり危険」「生活リズムが乱れる」などという根拠を引き出し、論理で文章を組み立てることを身に付けてもらいます。
文章表現の授業は書く技術を身に付ける授業ですが、書くことだけでなく論理的に考えることが大学で学ぶことすべての基本であることを知ってほしいのです。私が授業を担当している大学では「日本語表現」は前期が基礎・後期が応用の必修授業ですので、前期は型を使うことと感情でなく論理で考えることを身に付け、後期では1つのテーマにつき2、3コマを当ててじっくり考えてもらっています。
第10回 インタビュー
大学の文章表現の授業ではインタビューについてとりあげます。第5回で引用について取り上げましたが、引用は参考文献だけでなく誰かから聞いた話からすることもあるからです。本格的なインタビューをするレベルまではいかなくても、取材に行くときの最低限のルールを身に付けておく必要があります。
具体的には、次のような内容をハンドアウトにして配布し、授業内で簡単な「インタビューごっこ」をしています。
- インタビューを申し込む 対面・電話・電子メール・手紙・その他
- 予習をする 調べておくこと、読んでおく本のリストを作る。その人について、またインタビューでその人に尋ねるテーマについて、予習しておく。
- 質問のメモを作る
- 持っていくものを用意する 鉛筆またはシャープペンシル(仕事場でインタビューするときなど、インクで周囲を汚すことのないようにペン類は避ける)・メモ用紙またはノート(立ったままメモをとれるので固い表紙のものがおすすめ)・カメラ・レコーダー(録音していても固有名詞や数字は必ずメモを取る。漢字はその場で確認しておく)・その他
- インタビュー相手に確認すること テープを使っていいか(相手が快諾してくれても場所によっては使えないこともあるので注意)・写真を撮っていいか(同上)・提出前にチェックが必要か(インタビュー相手にチェックしてもらうことになった場合、締め切りがあることを十分理解してもらうこと)・その他の制限(聞かないでほしいこと、話の流れで話してしまったが書かないでほしいということがないか、開始前と終了時に確認する)
- テープ起こしをする まず一字一句正確に文字に起こす→全体の中で使うところ、削るところを決める→使う箇所の文章を加工する(方言・口癖をどのくらい再現するか?・語尾の扱い(必要に応じて「?」「(笑)」などを使う)・間違った言葉遣いをどうするか?)
- レポートにまとめる
- (原稿のチェックを依頼する)
- お礼をする(当日夜にお礼のメールか葉書を書く、完成後にお礼状とレポートのコピーを郵送する)
神戸山手大学では前期の最終課題がインタビューなのですが、家族や友人以外、できれば初対面の相手にインタビューをしてくることになっています。インタビューを受けて下さった例では次のようなものがありました。
- 大学周辺のよく立ち寄る喫茶店。個性的な店なので経営している人の話を聞きたい。
- 大学周辺のNPO法人。活動内容に興味があった。
- サークルの先輩・母の友人・友人の友人で既に働いている人を紹介してもらう。社会人の生活を聞きたい。
- 趣味でよく行く店の店長。自分もそのような店を持つことに憧れているので、開店までのことや店を運営する楽しさ・苦労などを聞きたい。
- アルバイト先の店長。仕事では話をするがお互いのことはほとんど知らない。
- 近所の商店街にある店の主人。以前から感じのよい店だと思っていたので、仕事についての考えなどを聞きたい。
- 母の友人の専業主婦。専業主婦になりたいので実際のところどのようなものかを聞きたい。
- ご近所で家族の介護をしている方。会釈くらいしかしたことがなかったが気になっていた。
- 友人の母親。友人との付き合いの中でいい母親に育てられたのだなあと思うことが多かったので、子育てについてどう考えていたのかを聞きたい。
- 友人の友人。別の大学の学生がどのような学生生活を送っているか知りたい。
インタビューに当たっては、自分の都合で相手の時間を奪うことになるのを十分理解し、失礼のないように振る舞ってほしいのですが、あまりそれを強調すると、いまどきの学生さんの特徴なのか、尻込みして申し込めなくなってしまうのが悩ましいところです。時間は30分前後がほとんどです。店舗を持っている方なら開店前に、社会人の方には昼食をご一緒してインタビューをしたりするなど、それぞれ工夫していました。
また、インタビューの内容は個人情報に関わる部分が多いので、その点の配慮も必要です。レポートはふつうは授業の担当者しか見ないものですが、上記の配布物にあるように書いてもらいたくないことのチェックをする他、必要があれば仮名にしてもらうなどしてもらいます。神戸山手大学では昨年度から公開希望者のレポートを学生が閲覧できるようにしましたが、そこに至るまで保管の仕方や閲覧方法などについて話し合うことがたくさんありました。このように、インタビューの場合は個人情報の取り扱いに関しても十分理解してもらう必要があります。
第9回 説明文の練習
知ってはいても正確な名前は知らないというものを説明文の課題に取り上げると、学生さんのノリがいいことが多いです。私はここ数年、春になると写真のものを集めています。ただで手に入り持ち運びも簡単で、説明文を書く練習にもってこいです。
ハンドアウトには以下のようにカードを使ったデータの整理法を提案しています。
問題 各グループに配布する、ある物についての説明文を書きます。
1.その物について説明しようと思うことを、小さなカードに書き出しましょう。
1枚のカードには1つの情報を。文章にせずメモ程度で。
2.ある程度メモがたまったら、分類してグループに分けます。
複数のグループに入れた方がよいものがあれば、同じカードを作りましょう。
3.2で分けたグループに、必要があれば見出しを付けましょう。
4.それぞれのグループの関係を、矢印などのカードで示しましょう。
大きな模造紙などの上で作業をして書き込んでもかまいません。
5.どの順番に説明文を書けばいいのか考えて、各自でアウトラインを作ります。
6.アウトラインに従って常体(だ・である調)で 600字程度の説明文を書きましょう。
まず、形・大きさ・厚さ・色・重さ・材質などが説明すべき点の候補でしょう。この中では形を説明するのが少々難しいようです。切れ込みの部分を上にするか下にするか、輪郭と穴とのどちらの部分を説明するかで違ってきます。絵を再現する授業を思い出して、説明をしながら形を描いてみてもいいでしょう。
次は使い方についての説明です。同じ用途の物が他にないか、それらと比べての利点などを考えるのもいいでしょう。私が授業を担当している大学はシニアコースがありますので、これがなかったころは何が使われていたかという情報を提供してもらいました。一方、就職活動を控えた学生さんの中には、これを売り込むセールスマンになりきって利点をリストアップする人もいました。
この商品についてのアイディアがいろいろ出てきたこともありました。例えば店の電話番号や広告を印刷する、女子受けしそうな模様を入れるなどです。学生たちをこのままこの会社に採用してほしいと思いました。
このようにカードを使って情報を整理する手法として、KJ法があります。私は学生時代に川喜田二郎『発想法』を読んで以来、レポートや論文を書く際にこの方法をよく使っています。しかし霧芯館―KJ法 教育・研修―KJ法の本質を学ぶ のサイトには、
コピペレポートに関するぼやき
このブログを始めた理由の1つに、自分の授業を記録しておきたいからということがあります。文章表現の授業を持っている非常勤先の1つで、webで授業を配信するのはどうかという話が出ているのを知ったからです。映像や音声で記録されないからといっていい加減な授業をしているわけではありません。しかしやはり、記録されるとなると気を遣います。どのみち授業のweb配信は、今後あちこちの大学や専門学校で実施されることでしょうし、ここら辺りで一度、自分がどういう内容をどういう風に教えているかを振り返っておこうと思ったわけです。
そんなわけでここでは来るべきweb配信を見据えた、当たり障りのない、きわめて無難なノリの文章を綴っているわけですが、はてなの日記の文章表現関係の記事はもう少し自由に綴っていました。
一連の記事の題材はいわゆるコピペのレポートについてです。今読むと、ちょっとここはどうなの? と思う部分もありますが、以下にリンクを張っておきます。
年寄りの繰り言みたいに同じことを何度もぼやいていますが、引用したエコの文章はやっぱりカッコいいです。
批評文献の本文は、その権威によってわれわれの主張が確認もしくは確証される場合に限り、引用すること。……批評文献を引用するに当たっては、引用が何か新しいことをもたらすものであるように、あるいはまた、引用が君の述べたことを権威をもって確証するものであるように、確かめなくてはいけない。(ウンベルト・エコ『論文作法――調査・研究・執筆の技術と手順――』188頁 而立書房1991年)
同じ内容を私は授業で「箔が付くもんを引用しやなあかん、そうやないと引用の意味ないですよ」と話しています。この格調のなさ……。