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文章表現の授業です

専門学校や大学で担当している「国語表現法」「日本語表現」などといった授業の覚え書き

第9回 説明文の練習

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知ってはいても正確な名前は知らないというものを説明文の課題に取り上げると、学生さんのノリがいいことが多いです。私はここ数年、春になると写真のものを集めています。ただで手に入り持ち運びも簡単で、説明文を書く練習にもってこいです。

 

ハンドアウトには以下のようにカードを使ったデータの整理法を提案しています。

 

問題 各グループに配布する、ある物についての説明文を書きます。

1.その物について説明しようと思うことを、小さなカードに書き出しましょう。
  1枚のカードには1つの情報を。文章にせずメモ程度で。
2.ある程度メモがたまったら、分類してグループに分けます。
  複数のグループに入れた方がよいものがあれば、同じカードを作りましょう。
3.2で分けたグループに、必要があれば見出しを付けましょう。
4.それぞれのグループの関係を、矢印などのカードで示しましょう。
  大きな模造紙などの上で作業をして書き込んでもかまいません。
5.どの順番に説明文を書けばいいのか考えて、各自でアウトラインを作ります。
6.アウトラインに従って常体(だ・である調)で 600字程度の説明文を書きましょう。

 

まず、形・大きさ・厚さ・色・重さ・材質などが説明すべき点の候補でしょう。この中では形を説明するのが少々難しいようです。切れ込みの部分を上にするか下にするか、輪郭と穴とのどちらの部分を説明するかで違ってきます。絵を再現する授業を思い出して、説明をしながら形を描いてみてもいいでしょう。

次は使い方についての説明です。同じ用途の物が他にないか、それらと比べての利点などを考えるのもいいでしょう。私が授業を担当している大学はシニアコースがありますので、これがなかったころは何が使われていたかという情報を提供してもらいました。一方、就職活動を控えた学生さんの中には、これを売り込むセールスマンになりきって利点をリストアップする人もいました。

この商品についてのアイディアがいろいろ出てきたこともありました。例えば店の電話番号や広告を印刷する、女子受けしそうな模様を入れるなどです。学生たちをこのままこの会社に採用してほしいと思いました。

 

このようにカードを使って情報を整理する手法として、KJ法があります。私は学生時代に川喜田二郎『発想法』を読んで以来、レポートや論文を書く際にこの方法をよく使っています。しかし霧芯館―KJ法 教育・研修―KJ法の本質を学ぶ のサイトには、

種々のメディアには、KJ法についての粗雑な概括や誤った情報の掲載が数多く見られますが、それらの多くは、KJ法を矮小化するものです。つまり、KJ法でなくとも可能な、単純な情報の整理や分類の技術として紹介しているものがほとんどです。また、創案者が、データに対する際に最も排除すべきであると考えた姿勢・態度によってKJ法を解釈しているものもしばしば見受けます。
とあり、今回の授業で行う作業程度はKJ法とは呼べない「単純な情報の整理や分類の技術」かもしれません。しかしこれはこれで説明文のアウトラインを作るのに有効ですし、興味を持った学生には『発想法』を参考文献として薦めています。

 

ところでこの商品の名前が最後までわからないときは、宿題にして次週までに調べてきてもらいます。調べるために使った本の書名や、インターネットで検索した場合はどのような語句で検索したのかを教えてもらいます。食パンを製造したメーカーに電話をしたという猛者もいました。
 
という質問もあります。
また、こういった物の名前についてはいろいろな本が出ていますが、その中でも
はさすがのおもしろさです。学生さんが物の名前を探すのに使う以外に、私たち教える側も練習問題を作るのに利用できます。