文章表現の授業です

専門学校や大学で担当している「国語表現法」「日本語表現」などといった授業の覚え書き

後期第5回 まともな情報の集め方

前後しますが、第4回の続きです。

調べ物でインターネットを利用するのはごくふつうのことになりましたが、乱暴な検索をする学生が目立ちます。調べたい語を一言、検索エンジンに入れるだけで、出てきたものを何の迷いもなく引用する学生です。私は過去のレポートでにニコニコ大百科からテーマとなる用語の意味を引用しているのを見たことがあります*1。引用は、自分の主張の応援だとイメージしてください。レポートに箔を付けることのできる、権威ある、信頼に値するものがよろしいです。

具体的には学生さんそれぞれの提出物を1つずつチェックするしかないのですが、全員に共通することとして、インターネットから引用するときは、最低限、次の2つのことを心に留めておいてください。

  1. 運営者の自己紹介の頁は確認しましょう。そしてそのサイトがどのような性格のものか、レポートに引用できるものかどうかを判断してください。特殊なレポートを除いて、基本的に、運営者の本名や所属がわからないものや、専門家かどうかもわからないサイトは避けるべきでしょう。
  2. 専門家がナビをしてくれるサイトを活用しましょう。信頼できるサイトからリンクしているものなら、それもまた信頼できる情報である可能性が高いと考えられます。また、その分野のデータベースなどがあれば活用しましょう。インターネットの広大な海に無鉄砲に飛び込むのではなく、まずは専門家のサイトにアクセスしましょう。

*1:ニコニコ大百科がダメだというのではありません。文章にはその内容に応じてふさわしい出典というのがあります。大学で書くポートでニコニコ大百科がふさわしいのはごく限られたケースだと思います。