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文章表現の授業です

専門学校や大学で担当している「国語表現法」「日本語表現」などといった授業の覚え書き

第11回 意見文の練習

第9回の説明文に続いて意見文を書く練習をします。説明文の授業と同様に、書く材料を整理し、アウトラインを作り、その型に従って書きます。型、型、型……前半で基礎的なことを押さえた後は、ひたすら型を使って書く練習です。

90分の授業1回で意見文を1つ仕上げるのは無茶ではないかと思われるかもしれません。たしかに、学生さんの中には限られた時間ではなくゆっくり考えるのが得意なタイプもいます。短時間で結論を出すのにそぐわないテーマもありますーーいえ、そもそもこの世の中のほとんどの問題が短時間ではなく必要なだけ熟慮しなければならないものでしょう。

しかしここでは型を身に付けることを優先して、書く練習をします。与えられた提案について賛成か反対かを書きますが、自分が実際にどういう意見を持っているかと一致しなくてかまいません。まずは書きやすい方で書いてもらいます。できれば賛成・反対両方について書くとより効果的です。

90分授業で600字程度の意見文を書く場合、大学入試の小論文や中高生向きのディベートの論題が参考になります。

論題|ディベート甲子園|NADE - 全国教室ディベート連盟

 

さて今年は次のような問題を作りました。専門学校の試験問題としても使いましたが、45分の教室試験でほとんど全員が600字の意見文を完成させていましたので、90分授業の場合、説明やブレーンストーミングを入れるとちょうどいい内容だと思います(ただ私が授業をしているのは関西の学校なので、甲子園球場に野球観戦に訪れたりアルバイトをしたりした経験のある学生がいてやりやすかったかもしれません。)

夏の高校野球全国高等学校野球選手権記念大会)はナイトゲームで行うべきだ」という意見に対して、あなたの意見を書きなさい。

賛成か反対か自身の立場をはっきり書くこと(賛成・反対のどちらかが答えということではありません)。

学生が自分でアウトラインを作れないようでしたらこちらで用意します。

【アウトライン例A】

  1. 意見(賛成)
  2. 理由1:熱中症の危険性(選手)
  3. 理由2:熱中症の危険性(観客)
  4. 反論に反論
  5. まとめ

【アウトライン例B】

  1. 熱中症の危険性(現在の状況)
  2. 意見(反対)
  3. 理由:高校生にナイトゲームはよくない
  4. 熱中症対策
  5. まとめ

 

また、資料もいくつか用意するとよいでしょう。

例えば次のような新聞記事が使えます。

つなごう医療 中日メディカルサイト | 炎天下の高校野球 熱中症対策限界

これについてはTwitterでも話題になっていました。

Ceron.jp - つなごう医療 中日メディカルサイト | 炎天下の高校野球 熱中症対策限界

 

夏休みの読書感想文や社会見学の感想文など、感想文は書いたことがあっても意見文はほとんど書かなかったという学生さんは多いです。そのような学生さんは、例えば今回の問題だとナイトゲームに反対という意見の根拠として、「炎天下でがんばっている姿が好きだから」などと書いたりします。このような自分の好き嫌いや感情ではなく、「ナイター設備のない学校が不利になる」「選手や応援の生徒の帰宅時間が遅くなり危険」「生活リズムが乱れる」などという根拠を引き出し、論理で文章を組み立てることを身に付けてもらいます。

文章表現の授業は書く技術を身に付ける授業ですが、書くことだけでなく論理的に考えることが大学で学ぶことすべての基本であることを知ってほしいのです。私が授業を担当している大学では「日本語表現」は前期が基礎・後期が応用の必修授業ですので、前期は型を使うことと感情でなく論理で考えることを身に付け、後期では1つのテーマにつき2、3コマを当ててじっくり考えてもらっています。