文章表現の授業です

専門学校や大学で担当している「国語表現法」「日本語表現」などといった授業の覚え書き

コピペレポートに関するぼやき

このブログを始めた理由の1つに、自分の授業を記録しておきたいからということがあります。文章表現の授業を持っている非常勤先の1つで、webで授業を配信するのはどうかという話が出ているのを知ったからです。映像や音声で記録されないからといっていい加減な授業をしているわけではありません。しかしやはり、記録されるとなると気を遣います。どのみち授業のweb配信は、今後あちこちの大学や専門学校で実施されることでしょうし、ここら辺りで一度、自分がどういう内容をどういう風に教えているかを振り返っておこうと思ったわけです。

そんなわけでここでは来るべきweb配信を見据えた、当たり障りのない、きわめて無難なノリの文章を綴っているわけですが、はてなの日記の文章表現関係の記事はもう少し自由に綴っていました。

一連の記事の題材はいわゆるコピペのレポートについてです。今読むと、ちょっとここはどうなの? と思う部分もありますが、以下にリンクを張っておきます。

ネットからの引用がダメな理由 - 固窮庵日乗

ネットの記事を引用すること - 固窮庵日乗

もう不毛なコピペはやめよう その1 - 固窮庵日乗

もう不毛なコピペはやめよう その2 - 固窮庵日乗

もう不毛なコピペはやめよう その3 - 固窮庵日乗

年寄りの繰り言みたいに同じことを何度もぼやいていますが、引用したエコの文章はやっぱりカッコいいです。

批評文献の本文は、その権威によってわれわれの主張が確認もしくは確証される場合に限り、引用すること。……批評文献を引用するに当たっては、引用が何か新しいことをもたらすものであるように、あるいはまた、引用が君の述べたことを権威をもって確証するものであるように、確かめなくてはいけない。(ウンベルト・エコ『論文作法――調査・研究・執筆の技術と手順――』188頁 而立書房1991年)

同じ内容を私は授業で「箔が付くもんを引用しやなあかん、そうやないと引用の意味ないですよ」と話しています。この格調のなさ……。