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文章表現の授業です

専門学校や大学で担当している「国語表現法」「日本語表現」などといった授業の覚え書き

第5回の補足

幸運なことに授業が予想外に盛り上がることが時々あります。第5回目の授業は、提出物の題材に血液型占いを取り上げました。始めに、各血液型別の「○型のあなたはこんな人」という文章を配布して読んでもらいます。クラスによっては「当たってるよね」などという声もあがります。

実はこの血液型性格診断の文章には仕掛けがしてあって、元の文章と血液型を入れ替えているのです。当たっていたと思った文章がまったく違う血液型のものだったということを明かして、「バーナム効果」を体験してもらうのが目的です。

A型のあなたは几帳面な性格です。

ここで第2回の授業内容を思い出してほしいのです。血液型占いによくあるこのような文は、「事実を表す文」ではありません。几帳面という言葉から想像するイメージには幅があります。誰かのことを多くの人が几帳面だと言っても、そうは思わない人がいるかもしれません。

  1. A型のあなたは几帳面な性格です。
  2. A型のあなたは授業別に色分けして配布物をファイルしています。

1の文は事実を表す文ではなく意見で、事実を表す文は2のように具体的に判断できるように書かれているのでしたね。

事実を表す文ではない書き方がいかに危ういものなのか、実際にわかってもらうのに、この「○型のあなたはこんな人」は有効です。

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この第5回はこちらであらかじめ資料を用意して、資料を引用する型を学んでもらうのが目的でした。

問題2 効果的に段落を分け、トピックセンテンスを用い、資料を引用して、「血液型占い」についての意見文を書きましょう。

昨年度はこの題材が学生さんの興味と合致したのか、1回で終了の予定が、配布物にある以外の資料も自分たちで集めることになりました。血液型ハラスメントや血液型による差別の歴史など話題も広がり、私にとっても刺激的な授業になりました。

このように学生さんがやる気になって、自分の書きたいことがきちんと伝わるように書くためにはどのような技術が必要なのか、それを自覚して学ぶのが理想的です(なかなかうまくいきませんが)。このタイプの授業は専門学校では7、8コマ(1コマ90分)になることが多いので、必要最低限のことを押さえるだけで終わってしまいがちですが、大学の場合は反応次第でコマ数を増やし、内容を深める時間をとるとよいと思います。