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文章表現の授業です

専門学校や大学で担当している「国語表現法」「日本語表現」などといった授業の覚え書き

第5回 資料を引用して書く

もう5回目の授業になりました。すでに段落分けとトピックセンテンスについて学びましたが、今日はそれに加えて、資料を1つ引用して書いてみます。

本題に入る前に第2回の事実を表す文について復習です。これは論理的な文章を書くための基礎の基礎であり、非常に重要なことなのでしつこく繰り返しますよ。

 

問題1 次の1から5の文で事実を述べている文を選び、番号に○を付けましょう。

  1.     摩耶山から見下ろす夜景は素晴らしい。
  2.     神戸の友人は摩耶山から見下ろす夜景は素晴らしいと言っている。
  3.     摩耶山の掬星台は神戸と大阪の夜景を見下ろせる展望広場だ。
  4.     『たびまっぷ神戸』に「摩耶山の掬星台は神戸と大阪の夜景を見下ろせる展望広場だ」と書いている。
  5.     『たびまっぷ神戸』によると摩耶山から見下ろす夜景は素晴らしいそうだ。

 

1の文が意見であることはもうわかると思います。では、2はどうでしょう?

   神戸の友人は摩耶山から見下ろす夜景は素晴らしいと言っている。

2は1の意見を表す文を含みますが、全体では

   神戸の友人は○○と言っている。

という文になっていますので事実を表す文といえます。

このような形を引用と言います。何かを引用した文は事実を表す文の形をとっています。そして4のように

  『たびまっぷ神戸』に「摩耶山の掬星台は神戸と大阪の夜景を見下ろせる展望広場だ」と書いている。

と引用部分を「」で表すのがふつうです。

本や新聞記事などを引用して文を書く場合、「」内は一字一句原文の通りに書きます。漢字や仮名遣いが私たちの書く地の文と違っていても、原文通り書きます。漢字の字体にこだわる人や歴史的仮名遣いを用いて書く人もいるので、私たちはそれを尊重しなければなりません。どれだけ尊重するかというと、明らかな誤字であってもそのまま引用するくらい、尊重します。そのときはなんだか気持ちが悪いので引用の誤字の部分に「ママ」とルビを振ったりします。「ママ」とは原文のままという意味です。

  『たびまっぷ神戸』によると摩耶山から見下ろす夜景は素晴らしいそうだ。

ように、「」を使わず原文通り書かない場合もあります。引用元が長いので要約する場合などがそうです。この場合は原文の意味が少しでも変わらないよう、慎重になりましょう。

 引用のルールについては後半でも取り上げますが、今回は、引用をするときは事実を表す文の形として書くということを覚えて下さい。

 引用して書く文にはいろいろな型がありますが、以下にいくつかを示しておきましょう。

   引用して書く文の例(字句通り引用する場合)

1○○は「○○」と言っている。   

2○○は「○○」と話した。   

3『○○』によると「○○」ということだ。

4○○は『○○』において「○○」と述べている。

5○○は「○○」(注n)と述べている。

ではさっそく、何か1つ資料を引用して文章を書いてみましょう。

今回書くのは意見文です。ブレーンストーミングをして、あなたの意見をはっきりさせてから書き始めましょう。意見文の場合、短ければ短いほどブレずにはっきり書くように心がけてください。そうでないと、けっきょく何が言いたかったのかわからない文章になってしまいます。

 

問題2 効果的に段落を分け、トピックセンテンスを用い、資料を引用して、「血液型占い」についての意見文を書きましょう。

 賛成か反対か、自分の立場をはっきり決め、読む人が納得するような資料を引用して書きます。文体は常体(だ・である調)、600字程度。

 

 段落は次のように構成します。

  1. 血液型占いとは
  2. 意見(賛成/反対)
  3. 意見の根拠(資料の引用)
  4. 予想される反論に対して反論
  5. 血液型占いの今後のあり方

 今回はトピックセンテンスは自分で考えましょう。思いつかない場合、前回のサンプルの真似をしてみてください。

 

(資料例)

バーナム効果 デジタル大辞泉 バーナム‐こうか〔‐カウクワ〕【バーナム効果】《 Barnum effect 》占いや血液型による性格診断など、だれにでも該当するような曖昧で一般的な性格に関する説明を、まさに自分のことだと思いこんでしまうこと。「私は血液型がA型だから几帳面」など。

BPO青少年委員会 「血液型を扱う番組」に対する要望         2004年12月8日

2004年12月8日 | BPO | 放送倫理・番組向上機構 |

◆「血液型人間学のデータの出所とは?!」(村上宣寛『心理テストはウソでした』講談社+α文庫 2008年)