文章表現の授業です

専門学校や大学で担当している「国語表現法」「日本語表現」などといった授業の覚え書き

はじめに

専門学校や大学で「国語表現法」「日本語表現」などといった、いわゆる文章表現の授業を担当しています。ちょうどいいテキストがなかなか見つからず、授業ではハンドアウトを配布してきました。実際に授業をしてみて効果的だった課題をまとめ、自分でテキストを出版したいと考えています。

どのような授業をしているのか、今年度はここで記録していく予定です。

同じような授業を担当して興味を持たれた方は、ぜひ私の授業の課題を使って感想をお寄せ下さい。

 

文章表現の授業が大学などで行われるようになったのは近年のことだと思います。現在、文章表現の授業を担当している講師の世代(ちなみに私は50歳です)は、そのような授業を受けてこなかったのではないでしょうか。私が在学していた大阪大学の文学部にも文章表現の授業はなく、各自、論文の書き方の本を読んで勉強したり、憧れの研究者の論文の文体をまねたりしていました。まるで職人の弟子のように学んでいたのです。

私は日本語文章能力検定(文検)で仕事をし、そこで文章の書き方について効率のよいトレーニング法があることを学びました。文検から派遣されて同志社女子大学甲南女子大学で授業も担当しました。私が自信を持って文章表現の授業を担当しているのは、文検のノウハウがあるからです。

もう一つ私が文章表現の授業で参考にしているのは木下是雄の『理科系の作文技術』です。文検から派遣された講座では文検のテキストを用いるという制約がありましたが、専門学校や大学で何度も授業をするうちに、その実態に合わせ、主に『理科系の作文技術』の内容を加えたオリジナルの課題を使うようになりました。

 

文章表現の授業は専門学校ではだいたい7~8回、大学では半期15回で行われることが多いようです。1回の授業は90分です。専門学校では仕事で用いる文章、特に正確な記録ができることに重点を置き、大学では専門学校とほぼ同じ内容をクリアした上で、レポートの書き方、いわゆるアカデミックライティングを範囲とします。

専門学校では、数少ない授業でレポートの書き方まで扱って散漫になるよりは、ふだんの仕事で支障の出ない文章をきっちり書けるようになることが重要だと思うからです。

大学の場合、非常にレベルの高い学生には、前半の専門学校と共通の内容はざっと説明するだけで済むかもしれません。しかしその場合も、まったく省略してしまうのはよくないと考えています。

 

*このブログは学生さんに向けて書くものではありません。欠席した場合や復習の役には立つと思いますが、質問などはここのコメント欄ではなく、授業中にお知らせした方法で直接連絡を取って下さい。